夢本版あとがき
書き下ろし新刊「雪椿道中」をお届けしました。
サイトで定期的に更新するとなると、お話を全て書き終わる前に一話ずつ公開することになるので、ゴールが見えないまま書き出すのはすごく難しいことなんですが、このお話はいきなり本になると分かっていたので、「矛盾点が出てきたら後から書き直したらいいわね!」という精神で、着地点も決めないままごりごり書き進められました。なかなか、こんなことできるもんじゃないので、いい経験でした。
吉原の花魁の話はいつか書いてみたかったんです。なんかもう、吉原! 花魁! というだけで華やかな雰囲気がして楽しそうで。
実際、書き始めたら、初めに考えていた話とは全く別物になってしまって、自分でもびっくりしました。書き終わってみれば、最初の構想がいかに薄っぺらかったか、というだけの話なんですが、「あれれれれー?」と、まるで濁流に流されるようにゴールも分からないまま書き進めるこの感じはなんとも言えない快感でした。
タイトルがとても難産でしたが、結果こういうタイトルになりました。とても気に入っています。
タイトルを考えるときに、椿の花言葉を調べていたんですが「罪を犯す女」(デュマの『椿姫』から来ているらしい。)というのがあるらしいと知ってとても興奮しました。このお話にぴったりでしたね!
よかった!楽しかった!
最後に、吉原の町の描写をするにあたって、参考にした映画や本の紹介をします。
映画
【吉原炎上】(1987年公開、五社英雄監督、名取裕子主演)
【花宵道中】(2014年公開、豊島圭介監督、安達祐実主演)
本
【吉原はこんなところでございました 廓の女たちの昭和史】(2010年、福田利子著、ちくま文庫)
銀魂の世界感は、江戸時代に天人の技術が混ざっているので、江戸時代の吉原、というより、明治・大正・昭和の吉原の雰囲気がイメージに近いような気がします。その点で、【吉原炎上】と【吉原はこんなところでございました】はすごーく参考になりました。気になった方はぜひ観たり読んだりしてみてくださいね。
お手に取ってくださって、ありがとうございました! あなたに楽しんでいただけたなら、こんなに嬉しいことはありません。
20200413(再録)