* 喧嘩したり、噛んだり、縛ったり、お道具使ったりします。苦手な方はここで引き返してくださいね!
今日の自分はどうかしていると、土方自身も分かってはいた。
けれど、どうしてだろう、ブレーキが壊れて暴走する列車のように、一度加速してレールの上を走り出したらもう止まれなかった。
は縛られた両腕で顔を隠しながら、歯を食いしばって肩を震わせている。襟元がだらしなくはだけていて、そこにはいくつもの赤い痕が花びらのように散っている。裾もはだけていて、 太腿の付け根から下が丸見えだ。大きく開かれた片足は土方の肩に引っかかっており、もう片方は膝の上に乗っている。そのちょうど真ん中に空いた穴が、 卑猥な電子音を立てるおもちゃを咥え込んでひくひくと震えていた。
「……な、んでぇ、こんな、のっ、持ってるのぉ……?」
不自由な口調で言う
に、土方は涼しい顔をして答えた。
「勘違いすんなよ、ただの押収品だからな。俺が買ったもんじゃねぇから」
「そんな、のっ、あぁ……っ、かってっ、に、持ち出したりして……っ!」
「鑑識から戻ってきたやつだから誰も文句言わねぇよ」
「そぉい、う、問題、じゃ、な、い、でしょぉ……」
「心配しなくてもちゃんと洗ってあるって」
「ちぃっ、がぁう……うぅんっ!」
少し角度を変えてやるだけで感じ方が変わるのか、
は土方の膝の上で体をくねらせて刺激に耐えている。誰かが近くにいるとでも思っているのか、それとも意地を張っているのか、声を殺そうと必死で、土方は可哀想な気持ちになった。
今、屯所には誰も居残っていないことを、土方は知っている。その上、この騒々しい雨音だ、どんなに大声を出しても誰にもその声は届かないだろう。
まるで雨の檻の中にいるようだ。雨が止むのは時間の問題だが、それまでこの檻は鉄壁だ。どこの誰にも邪魔はされない。
肩に担いだ
の白い足に、舌を這わせる。足はびくりと震えて、土方から逃れようとでもするように少し浮いたが、土方は指先が食い込むほどの力で太腿を抱え込んで離さなかった。柔らかな内腿に鳥肌が立つのが見え、おもちゃを咥えこんだ穴が土方の目の前でぴくぴくと震えた。
「文句ばっか言ってる割にはしっかり感じてるじゃねぇか」
「……ち、ちがっ」
「ちがくねぇだろ、ほら」
「……――――――っ!!」
おもちゃを奥の方に押し込むと、
は背中を仰け反らせて息を止めた。耐えている。息を殺して必死に抵抗していることが、土方には分かる。そして、
の我慢も、そろそろ限界だろうということも分かった。
土方は非情な眼差しで
を見下ろしながら、おもちゃの取っ手を握ってゆっくり抜き差しをした。それに合わせて、
はやっと呼吸を思い出す。身体中におかしな力が入っていて、手足が突っ張っている。中途半端に脱げた着物と縛られた両腕が窮屈そうで、狭い檻の中に閉じ込められた小動物のようだと、土方は冷めた頭で思う。
「はぁっ、あぁ、ま、って、あぁっ、ねぇっ」
「何を待てって?」
「やぁっ、そ、れっ、はぁあっ、いやぁ……っ!」
「何が嫌なんだよ、こんなに濡らしてよがってるくせに」
「やぁあっ、あっ、あっ、あっ、はぁああぁぁ……っ!」
少しずつ、出し入れする速度を上げていくと、
は消え入りそうな声で喘いで、喘いで喘いで、突然腰をびくりと跳ねさせた。その拍子に穴の奥から押し返すような圧力を感じて、土方はゆっくりとおもちゃを濡れた穴の中から引き出してみる。愛液でぬらりと濡れたそれは、無機質に規則的な動きをしながらまだ小刻みに震えている。ぽっかりと空いた
の穴を覗き込むと、その内壁は
の体と同じようにひくひくと震えていた。
ぐったりと倒れ込んでぜえぜえと息をする
の、穴の上の陰核を、土方は平然とつまみ上げた。
「いゃぁぁあぁあぁぁ……っ!」
悲鳴を上げて、
は土方の手から逃れようともがく。けれど、全く力の入らない体で土方の力には敵うはずもない。
土方は
の甲高い悲鳴を聞きながら、ただ陰核を刺激した。押す、撫でる、摘む、擦り上げる、思いつく限りのことをして、
が喉を枯らしていく様を、まるで昆虫の観察に熱を上げる少年のような目をして見ていた。
攘夷浪士を拷問するとき、土方は同じような顔をする。どのくらい体を痛めつければ相手は重要な秘密を暴露するか、そしてどこまですると相手の許容限界を声をその命を危うくしてしまうのか、その境界線を見極めるために、極端に集中力を高める。そんな土方を、隊士達は「初めてその顔を見た夜は決して眠れない」と評するほどだ。
けれどそういうときの土方は、他者が思うよりもずっとずっと冷静だ。加減を間違えて相手を殺しでもしてしまえば、重要な手掛かりを失うことになる。命は目に見えないから、その限界はきちんと見極めなくてはならない。
今、土方は攘夷浪士を拷問するときと似たような気持ちで
を抱いていた。どこまでやれば、
は土方の言うことを聞いて屯所に止まっていてくれるだろう。馬鹿な願いだと自分でも分かっていたし、
は頑固だから、そうやすやすと心変わりすることはないと分かっていたが、それでも、やってみたかった。望み通りにことが運ばなくても時間稼ぎにはなる。
今日の自分はどうかしている。こんなに乱暴な抱き方をして、大嫌いだと謗られて、ことが済んだ後にはきっと痛い目を見ることになる。
それでも、
を外に出すわけにはいかなかった。万事屋の坂田銀時に会うなぞ、もってのほかだ。思い出しただけで苛立ちがぶり返してきて、土方は強く
の陰核をつまみ上げた。
「あぁあ!!」
土方が聞いたことのない声で喘いで、
は潮を吹いて達した。土方の手は
の体液でぐしょぐしょに濡れて、土方は何も考えずにそれを舐めた。
土方の体を両足で挟んだまま、ぐったりと倒れ込んだ
は、涙と涎でぐちゃぐちゃの顔をしていて、もう腕をかざしてそれを隠す気力もないらしい。
土方は
の両腕を戒めているスカーフを解き、
の目尻に浮いた涙を拭って、口の端から垂れた唾を舐めとってやる。拷問には、飴と鞭も使いようだ。
土方は
の体に馬乗りになったまま、しばらく
を労ってやった。
は虚ろな目をしてはいたが意識はあるようで、土方のすることを眼球だけを動かして見ていた。
雨は、まだ止まない。
湿気が部屋の中にうっそりと侵入してきて、空気がしっとりと重たい。土方は、じっとりと汗ばんだ自分の体と、湿度の高い空気との境目が、だんだん分からなくなってきた。
にいたっては涙や唾液や体液で体中ぐしょぐしょで、熱く火照った体は蕩けてそのまま形を失ってしまうのではないかと思えるほど熱い。
開かれたままの陰部は、土方に執拗に愛撫された名残りで赤く膨らんでいて、体液に濡れたそれは甘い蜜を滴らせる果実のようだった。
少し酷くしすぎた後悔のような気持ちがほんの少しだけ湧いて、土方は手当てをするようにそこに舌を這わせた。
はもう、悲鳴を上げる力も残っていないらしく、はぁはぁと浅い息をしながら天井を仰いでいた。
どれくらいかそうしていたら、ふいに、
が嗄れかけてかすれる声で土方を呼んだ。
「……ねぇ、ひじかたさん」
「ん?」
土方は、
の足の間から顔を上げて答える。その目の前に、かすかに震える
の細い指が伸びてきた。
「……ぎゅって、して」
土方がその手を取ってやろうとすると、
は両腕を土方の首に巻き付けてきたので、背中に手を入れて抱え起こしてやる。幼い子どものように頼りない小さな体にはほとんど力が入っておらず、土方の首に抱きつくのもやっとのようだった。その腕の非力さに、さすがにやりすぎたか、と、土方はやっと本気で後悔した。
を屯所に足止めすることだけが目的だったなら、もっと早く止めてやればよかった。それでも手を止められなかったのは土方のエゴでしかない。
「大丈夫か?」
子どもをあやすように
の背を撫でてやりながら、土方はできるだけ優しく言った。
は土方の首にすがり付いて、顔を上げないまま小さく頷いた。土方の胴を挟んだ細い両足が、土方の脇腹をさすり上げるように動く。
「ひじかたさんは?」
「俺?」
「くるしくないの?」
の吐息が耳元をくすぐって、土方は背中をぞくぞくと震わせた。
の熱い息が肌に直接触れると、まるで生き物が素肌の上を這ってくるような感覚がした。その余韻がなかなか去っていかなくて、つい
を抱きしめる腕に力を込めてしまう。その拍子に、
の体が深く土方の体の中に沈んで、土方の局部が
の濡れて赤く熟れたそこに強く押し付けられた。布越しにもその熱さが伝わってきて、焦らされているような気分になる。もうそこは、ずっと前から固く立ち上がっている。
はほんの少し土方から体を離すと、ふたりの体の間に片手を差し入れて土方のベルトに手を掛けた。
「おい」
と、とっさに土方が言うと、
は土方のおでこに自分の額を押し付けてきた。目と目の距離の近さに土方が驚いている間に、
はまるで手品師のような手付きでバックルを外した。
「勝手に何やってんだよ」
「いまさらなによ」
の息が鼻先にかかって、土方は目を細めた。
の吐く息は、熱くて甘い、いい匂いがした。普段は甘いお菓子などにはちっとも食指は動かないのに、
の甘い香りは土方の理性を軽く吹き飛ばしてしまう。このまま唇を吸って、その息を全て飲み干してしまいたくなる。そういえば、今日はまだ
の唇を味わっていないことに今更気が付いた。そうすると、もう
の唇しか目に入らなくなってしまう。
はズボンの中から土方のものを取り出して、その竿を手のひらでさすり上げた。その絶妙な手付きに、土方は息を詰まらせる。
「おっま、ちょっと、待てこら」
「どうして?」
「どうしてじゃねぇよ、無茶すんな。体ぐだぐだなんだから」
「むちゃなことしたのはひじかたさんでしょ。なによ、わたしには好き勝手なことするくせに」
ごり、と音がしそうに強く額を押し付けて、
は狂ったような目をして土方を睨んだ。
空が光る、そして、時を置かずに爆音が響いた。たぶん、屯所の近くに雷が落ちた。
雲の上に住む雷様は、きっとこんな顔をして大太鼓を叩くのだろう。至近距離で
に睨まれながら、土方は他人事のようにそう思う。
がどれだけ腹を立てていようが、土方の頭には
の甘い唇に対する欲望しかなかった。
の手が、土方のものをゆっくりとしごいて、それをそのまま体の中に招こうとするのを、土方は頭の片隅に辛うじて残った理性で制した。
「待てこら、まだゴム付けてねぇよ」
「いらない」
「いらねぇことねぇだろ。ちょっと待てって」
「いや、このままする」
「お前なぁ……」
は土方の声を無視して、鬼頭を自分の穴の入り口にあてがう。
の体液と土方の唾液で十分に濡れたそこは、不思議な引力を持って土方のものを飲み込んで、あっという間にふたりはひとつになった。
不覚にも、土方はその瞬間、喉の奥から熱い息を漏らしてかすかな喘ぎ声を上げてしまった。薄いゴムの膜がないだけで、伝わってくる熱量が全く違う。
の中の内壁がうねうねと動いて土方のものをねっとりと包み込んで締め上げる。
は荒い息をしながら、それでも土方から視線を外さなかった。その目線はうっとりと潤んでいるが、その奥底には力強い執念のようなものが確かに宿っていて、言葉にするならやはり睨み付けるという表現が一番正しいように土方には思えた。押し付けられた額は、下手くそな頭突きのように地味に痛い。
「……はいった……」
は事実確認をするような口調で呟いた。
土方は腰の奥から突き上げてくる熱いものに意識を持っていかれそうになりながら、じっと
の唇だけを見つめていた。
雨音はますます激しい。ふたりの息づかい以外の音が、何も聞こえなくなる。ふたりを邪魔するものはもうこの世界のどこにもないような気になって、土方は
の熱く潤んだ瞳をすがるように覗き込んだ。
「
」
「なに?」
はかすれた息だけで答える。その声色がなんとも言えずに色っぽくて、土方はその音に聞き惚れた。
「お前、いい声してるよな」
「はぁ?」
「もっと聞かせろよ」
土方は腕に力を入れて
の体を引き寄せる。そうするとちょうどいい具合に
の体が揺れて、ふたりの体が繋がった部分がこすれ合う。
「……ぁあ……っ」
の、息の多い甘い喘ぎ声を救い取るように、土方は
の唇を吸った。
の声は甘い果実の蜜そのもので、その一滴も逃さず味わいつくそうと、音を立てて唇を吸う。
は初め息継ぎに困って半ば窒息しかけたが、やがて土方の小急に自分の呼吸を合わせることを覚えた。
はゆっくりと腰を前後に揺らす。土方は腕の力を使ってその手助けをした。柔らかい
の尻に土方の武骨な指はよくなじんで、その感触にも
は感じているようだった。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、ひ、じかた、さんぅんっ!うぅんっ、んっ、んっ、あっ、んっ、あぁっ、土方さんっ、あぁっ、あぁっ、あぁん! あぁ! ひじかたさんっ! はぁっ、あぁあ……っ」
何度も名を呼びながら、
は甘く蕩けそうな瞳で土方の目を覗き込んだ。土方はその呼び声を受け取るように
の唇を吸った。目は開けたまま、体全てを預けてくる
の全てを見ていた。
さっきからもう何度も何度も達しているせいで、
はもう限界に近いほど感じている。土方の首に巻きついた腕が、土方の筋肉質な肩に食い込んでいる。
腰の裏の辺りから静かに押し寄せてくる波を感じて、土方は熱い息を吐きながら
の体を引き寄せた。
の胸に顔をうずめて、その肌の甘い香りを思う存分吸い込みながら目を閉じる。
の腰遣いが少しずつ早くなる。体の奥から大きな波が来る。どうしようもなく上がる息と鼓動、自分が人ではない何か別の、本能のみに従って行動する獣になってしまったような錯覚を覚える。舐めるだけでは飽き足らなくなって、土方は
の胸に噛みついた。
は悲鳴を上げて体をのけ反らせ、その後すぐに達した土方は己の体液が
の体の中に注がれる感触に、体を突っ張らせて耐えた。
脱力した土方は
を抱いたまま後ろに倒れ込み、
は土方の体に跨ったまま、体を痙攣させてしばらく動かなかった。
夕方になって、ようやく雨がやんだ。
地面が吸いきれない雨水が、屯所の前庭にいくつもの大きな水たまりを作っていて、雨に洗われた空の色を映している。夕暮れの空はオレンジと薄青の玄妙なグラデーションで、水たまりに映った空は沈みかけた太陽の金色の光をはじいて眩しい。
思いがけず、屯所に出現した絶景を眺めながら、土方は縁側で一服していた。
「土方さん、一番隊戻りました」
沖田が、すました顔をして縁側を歩いてくる。
土方は目線もやらずに答えた。
「おう、ご苦労さん」
「こっちは無事に片付きました。土方さんの方は? 何かあったんですか?」
「別に、大したことじゃねぇよ」
大したこともないのに、この人が仕事をボイコットするわけがないと沖田は思ったが、土方が年老いた老人のように静かな目をしているものだから、不思議に思いながらもからかう気にはなれなかった。
「ひとりも取り逃がしたりはしてねぇつもりですけど、あの辺りは平日でも人が多いですし、あの雨に紛れて逃げた奴もいたかもしれません。あとで検分頼みまさぁ」
「あぁ」
沖田の姿が見えなくなってから、部屋の中からテレビの電子音がした。土方が振り返ると、身なりを整えた
がテレビの画面に見入っていた。
テレビの中では、髷を結ったアナウンサーが、大江戸デパートに隣接するビルに潜んでいた攘夷浪士の一斉検挙のニュースを伝えていて、画面に写り込む黒い隊服、デパートの客達が隊士達に誘導されて避難していく。その中には黒い煤をかぶっているものもいて、画面の隅には、天然パーマをいつもの二倍に膨れさせた銀時が、素知らぬ顔をした沖田の胸倉を掴んで怒鳴っているところが映り込んでいた。
土方は煙草の火を消して部屋に入ると、
の手からリモコンを奪い取ってテレビの電源を切った。
「……それならそうと、言ってくれればいいのに」
は傷ついたような目をして土方を見て言う。
土方は
を睨み返して答えた。
「言ったってお前は行くだろ。知らせてやらねぇといけねぇとかなんとか理由付けてよ」
「……それは、そうかもしれないけど……」
は返す言葉が見つからず、膝の上に乗せた手のひらに視線を落とす。その手首にはスカーフで縛られた跡が赤く残っていて、体が痛むのか、正座をできずに足を崩していた。
土方はその着物の下に残ったたくさんの痕跡を想像して、気まずそうに視線を落とした。どうしてあんなことをしたのか、自分のことながらわけが分からなかった。
「医者、行くか? 車出すぞ」
土方は申し訳なさそうな顔をしてそう言ったが、
はそれを白い目をして一蹴した。
「今、病院なんか行ったら、土方さん、通報されますよ。真選組副長が婦女暴行で逮捕なんて、笑い話にもならないわ」
「暴行なんかしてねぇだろ」
「少なくともお医者様が診たらきっとそう言うわよ。証拠もしっかり残ってるしね」
「お前なぁ……!」
「怒らないで」
大声を上げそうになった土方の顔の前に、手のひらを立ててその言葉を制した。
「分かってるから、これ以上怒らないで」
その手のひらの影で、
は涙を堪えるように鼻をすする音がする。土方はその手を取って、そっとその顔を覗き込んでみた。
は顔を逸らそうとしたが、その真っ赤な目元を隠しきることはできなかった。
「悪かった、俺が悪かったよ。ごめんな、ひでぇことして」
土方は慌てて、子どもにするように
の頭を撫でた。
は首を横に振って土方の肩口に額を押し当てる。堪えきれなかった涙の気配を感じて、土方は優しく
の肩を抱いた。
「あやまらないで」
「だって、お前……」
「私も、あやまらないから」
は土方の肩を押し返すと、至近距離で土方を見た。
「何が言いてぇんだよ?」
の許しを請うて情けない顔をした土方とは対照的に、
は腹の座ったくっきりした目をしていた。
「嬉しかったから」
そう言った
の唇が、かすかに震えた。
土方は、
の吐息に前髪が揺れたのを感じて、とっさに
の頬に手を添えて口付けた。
我ながら飽きないな、と、土方は頭の片隅で思う。
の唇は甘い。味わっていると、頭の芯がしびれてくる。
それはきっと、土方の理性を狂わせる媚薬なのだ。
その媚薬は、
を思う土方のなけなしの愛情さえかすませて、土方を野生の獣のように変えてしまう。
の唇は、土方が知る他のどんなものより、甘い。
優しくしてやりたいとか、労わってやりたいとか、守ってやりたいとか、あらゆる形をとって土方の中に生まれてくる愛情を、軽々と踏み越えてしまうほど、
それは、甘い。
20171023
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