!! 銀時、土方との3P、夢オチです。大丈夫な方のみどうぞ !!


















 柔らかくて甘いものが唇に押し当てられる。目を開けると、銀時のふわふわの白い猫っ毛がの顔の輪郭くすぐっていた。

 何がどうなってこういうことになったのか全く身に覚えがなくて、戸惑ってしまう。けれど、銀時を張り倒したいと思うほど強い拒否感も湧いてこなくて、は目を開けたまま銀時の口づけを受け続けた。銀時の白いまつげが蝶のように目の前でひらひら揺れるのがとてもきれいで、銀時の白眼が青味がかって透き通って見えるのはますますきれいだった。

「あのさ、そんなにじろじろ見られるとやりにくいんだけど」

 銀時が眉をひそめて言うと、の瞼に親指を乗せて、シャッターを下ろすように優しく目をふさいだ。

 口づけをするより、何でもいいから、もっと話をしてほしかった。今何を考えているのかとか、どうしてそういうつもりになったのかとか、聞きたいことがたくさんあるのに言葉が出てこない。銀時に唇を吸われて、舌をなぶられているせいだけではなくて、もっとどうしようもない理由で声が出なかった。けれど、不自由な感じはしない。なぜかは分からない。

 ゆるやかな川の流れに乗って泳ぐような、風に舞う木の葉がふわりと空中で踊るような、大きな力の流れの中にある居心地の良さみたいなものを感じて、たぶんこの状況は間違ったものではないのだろうと強い確信が胸の内に芽生える。

 いつまでも唇を合わせているのにちっとも息が苦しくならないのが、いっそうこの正しさを証明しているような気がした。

「おい、そろそろ代われよ」

 と、耳元で声がした。土方の声だ。

 土方はのうなじに唇を落としながら、脇の下をごそごそと探って身八つ口から手を入れてくる。それと同時に腰の後ろの帯を解いている。

 銀時がの唇を噛みながら言った。

「うるっせぇな。黙ってろよ」
「久しぶりなんだろ、やり方覚えてるか?」
「おい、その口閉じねぇとこいつ貸してやんねぇぞ」
「はぁ? 何言ってやがる、俺がお前に貸してやってんだろうが」
「お前こそ何言ってやがる。何をどう勘違いしてんだか知らねぇがこいつは俺のだ」
「勘違いしてんのはお前だろうが。俺のだ」
「いーや、俺のだ」
「俺のだっつってんだろうが」

 は口づけを受け、着物を脱がされながら辟易とした。

 何がどうなってこういうことになったのか、本当に、全く身に覚えがない。けれど、ふたりを張り倒してここから逃れたいと思うほどの拒否感も湧いてこなかったし、一体どういうことかと問いただすための声も出ない。このまま流れに身を任せるのも悪い気はしなかった。これは間違っていないという確信は、ここまできても消えていない。その直感を、は信じることにする。

 後ろから顎を掴まれて後ろを向かされると、土方に唇を奪われた。銀時とは対照的に、薄い唇と苦い味のする口づけに舌の奥から唾液がほとばしる。それを見て口を持て余したのか、銀時が耳に噛み付いてくる。

「あのさ、今俺がやってんだからちょっと待ってらんないわけ?」
「てめぇが終わるの待ってたらいつまでたっても俺に回ってこなさそうなんだよ」

 いつの間にか丸裸にされた体を180度回されて、は土方の腕の中に収まる。銀時の腹立たしそうな声がしたけれど、土方はそれを無視しての唇を強く吸った。同時に両手での胸を下からすくい上げるように掴む。体が震えて立っていられず、とっさに目の前の土方の肩にすがりついてしまう。

「ちょっとちゃん? 俺よりニコチン野郎の方がいいってわけ?」

 銀時のその恨みがましいもの言いに、はぞっとして肌を泡立てた。銀時はついさっき土方が口づけたうなじに、痕を上書きするように強く吸い付いてくる。それがゆっくり下の方に下がっていって、腰を持ち上げられた。爪先立ちにならないと立っていられない。銀時の舌が尻の割れ目をなぞって、そっちに気を取られていたら、また土方に顎を掴まれた。

、こっち見てろ」

 ふたり同時にあちこちなぶられて、もうついていけなかった。

ちゃんって淫乱だったんだね。触ってもないのにこんなに濡らして」
「俺が触ってやってるからだ」

 土方が負けじと銀時に張り合う。

「俺のが欲しいんだろ」
「あんまうぬぼれんなよ」
「お前こそな」

 銀時がやりと笑う気配を感じて、はどうしてか危機感を感じて肩をすくめた。

「どうなの? ちゃん? なんかしゃべってよ」

 銀時が耳元でささやく。吐息が耳の産毛を撫でて、その感触にぞくぞくする。と、次の瞬間、銀時のものが一気に奥まで入ってきた。甘い痺れが全身を襲って、ますます立っていられなくなったは強く土方にしがみついた。

「おい、お前やっぱりやり方忘れてるだろ」

 土方は恨みがましく唸ったが、銀時はそんなものどこ吹く風と言った顔して、の腰を指が食い込むほど強い力で掴んだ。

「これが俺のやり方なんだよ」

 激しく上下する銀時のそれは、まるで極太の金太郎飴みたいに固く、の体を
 甘く痺れさせた。糖分の取りすぎでほとんど不能だと言っていたじゃないかと文句を言いたくなるほどだ。

 銀時に犯されるに、土方は飽きもせず口づけをくり返して、しつこく胸を愛撫している。土方に支えられなければ立っていることもままならないは、土方にされるがままになっている他ない。

 銀時がリズミカルに腰を突き上げながら言う。

「なぁ、今どういう気分なの、ちゃん? すんげー濡れてるけど、ふたりいっぺんに犯されてそんな興奮してんの?」

 土方がに唇を押し当てたまま言う。

「あんまりいじめてやるなよ」
「いじめてねぇよ。盛り上げてんだろ」
「そういう言い草は盛り下がるんだよ」
「てめぇの気分なんか知ったこっちゃねぇわ。俺はこういうのが興奮すんの」

 遠慮なく腰をぶつけてくる銀時に抗えず、は悲鳴を上げて倒れそうになる。上半身を土方に捕まえられているから倒れることもできない。

 ついさっきまで、流されるのも悪くないし嫌悪感もなかった自分を恨む。ゆるやかだと思っていた川の流れはいつのまにか濁流になっていて、風は木の葉を叩く暴風だ。水に溺れて風に飛ばされるような流れに、我を失わないようにするので精一杯だ。

「大丈夫か?」

 と、土方が頬に落ちる涙を拭いながら口づけをしてくる。土方と見つめ合ったまま、腹の底から突き上げてくる快感に飛ばされそうになった瞬間、銀時のものがずるりと抜けた。

 土方の腕の中に倒れこんだを尻目に、銀時は土方を睨みつけた。

「てめぇのキス顔見てたら萎えた」

 は土方の腕の中でぜぇぜぇと息を吐く。そこに土方の体がのしかかってきて、さっきまで銀時のものが出入りしていたところに今度は土方が入り込んできた。

 銀時が金太郎飴なら、土方は鬼の金棒だった。内壁に引っかかってごりごりと音が聞こえそうなほどで、銀時とは違う快感が脳天をつくように襲ってくる。身をよじって悶えるを、土方は強く抱きしめた。

「優しくするから、ちょっと勘弁な」

 は背中をのけぞらせて震えた。言葉とは裏腹に、土方の動きは激しい。に胸や腹を愛おしそうに撫で、そぶりだけはを気遣っているけれど、金棒で中をえぐるように攻めてくるしを見つめる眼差しは獲物を狙う獣のようで、罠にかかって身動きの取れない兎になったような気分になる。

 夢中で土方にしがみつくに、銀時が手を出したのはにとってはほとんど災難だった。

「ちょっとちょっとふたりばかっりずるいんじゃない?」

 銀時の指がの肌を撫で、線を描く。それがたどりついたのは土方のものが埋まっているのとは別の穴だった。

 指を回しながらのそこを掘った銀時の指に、は目を回すほど感じてしまう。

「おい、ちょっと待てねぇのかよ」
「お前が使った後の穴なんか使えるかよ」

 銀時が指を出し入れしながら言う。

「こっちの方がしまりがよくていいんだって。お前経験ある?」
「なんでそんなこと答えなきゃなんねぇんだよ。一度には無理だ、待ってろって」
「やだよ、そんなに言うならお前が抜けば?」
「横入りすんな」
「最初にしたのはそっちだろ」

 銀時の指が中を引っ掻く。驚くほど強い刺激に体からどんどん力が抜けていく。銀時の指が増えて、中をいじられると、内臓を引きずり出されるような感触がした。気持ちが良すぎて、危険すら感じる。

「やめろって言ってんのが聞こえねぇのか」
「そう言うお前こそやめろよ」

 土方はできる限りと体を密着させて深く抱き込む。銀時はそこに強引に割り込んで、のそこに先をあてがって無理矢理腰を進めた。

 には、何が起きているのかほとんど分からなかった。下っ腹がその能力を超えてふくれあがって、なんとか二本くわえこんでいるようだけれど、どう考えても許容範囲を超えている。体がどうにかなってしまったか、どこか異次元に繋がってしまったとしか思えなくなる。

 恐怖と快楽とが同時に襲ってきた。壊れてしまう。気持ちいい。もう無理、いやもっと。

「あーこれやべぇ」

 銀時がひとりごとのようにあえぐ。大きい方をもよおしているのに似た快感に、は恥ずかしくてたまらない。

「大丈夫か?」

 土方は口先ではそう言うけれど、遠慮なく突きあげてきてもはや余裕の欠片もない。結局一番みっともないところを見られている。気が狂いそうに恥ずかしい。

 そのうち、もう上も下も分からなくなった。気持ちがいいとか痛いとか、熱いとか汚いとか、恥ずかしいとかみっともないとか、どろどろしたもの全部が混ざり合ってその正体も分からなくなる。

 が身を任せた流れは、自然のまま水に溶けて流されて消えて、風に飛ばされて粉々の塵になって、そのまま世界の果てで無に還った。





 ぽっかりと目が覚めて、は薄暗い天井をぼんやりと見つめた。頭がぐらぐらしてすぐに起き上がれない。布団の中で、ゆっくりと両手で自分の体を撫でてみる。浴衣の帯はちゃんと結んであることと、体のどこも濡れていないことを確かめる。

 大丈夫、全部夢だ。

 は寝返りを打って、枕に顔を埋めた。夢とはいえ、なんていう夢を見ているんだろう。生々しい夢だった。唇や肌の感触が本当に肌に触れたようだったし、ふたりのぬくもりがまだ肌の上に残っているような気さえする。本当にふたりのものに貫かれたと思った。壊れてしまうかと思った。

 これ以上余韻に浸っているとどうにかなってしまいそうな気がして、は力を振り絞って布団をはねのけた。顔を洗って、身支度を整える。きつく髪をしばって気合いを入れる。

 そして、いつもどおり仕事に取りかかってしまえば、いつもどおりの朝だった。ふいに銀時の高圧的な物言いや土方の甘いささやきが思い出されはしたけれど、ご飯の炊ける甘い湯気の香りや鰹出汁の香ばしい香りに紛れて、その幻想はすぐにかき消えた。茶碗と皿の枚数を数え、箸の本数をそろえ、お新香や卵焼きを皿に盛りつけているとあっという間に現実に引き戻された。

 朝一番に食堂にやってきた隊士におはようとあいさつをする頃には、どんな夢を見たかもすっかり忘れてしまった。







(セックスする夢を見るのは、相手のことをもっと知りたい、相手のいいところを自分も吸収したいという気持ちの表れだそうです。)







20190415